Mシャーシについて

 Mシャーシチューニングのコンセプトも、ツーリングカー同様「壊れるな」です。

で、MシャーシをFFで使った場合、よく壊れるのは、ステアリングワイパーのボストと、ロアのサスアームホルダー付近でしょう。ここいら辺を社外品のパーツで強化するわけですが、するとどうしても肝心の純正プラバーツの方にストレスがかかり壊れます。そこで、その部分を強化する必要が出てくるわけです。
で、去年一年間、ネットワークGPのミニクラスに参戦したなかで得たノウハウを公開します。

 まずは、ステアリングボストの強化。図1(説明あり、クリックしてね)
フロントタイヤをあてるようなクラッシュをした場合、そのストレスはステアリングボストの根元にかかります。ここは土台の肉厚が薄く4面中2面しかギヤボックス本体にしか接していません。ステアワイパーを強化して、強力なサーボをつけた場合、よくここにクラックが入ります。(入ったことないぞ!という方もいらっしゃるでしょう。しかし、ボクは折ります。)
これは、この薄い土台が過度にしなることにより発生するクラックですから、この部分のしなりをなくして、ストレスをすべてサーボセーバーで吸収してやればいいわけです。(実際にはセーバーでは吸収しきれませんが)
 で、そのしなりを取るパーツを作りました。ボスト上のワイパー押さえを左右繋いで、しなりを取るといういうものです。お察しの通り、ブツの正体はテックの部品です。この部品、ノーマルではイモネジ止めですが、相手が樹脂にイモネジ立てるのも無理があるだろうということで、ネジ穴の反対側にも穴を開けてノーマルパーツと同じ止め方にしてあります。ネジ穴から下の厚みがノーマルより長いので、削ってサイズ合わせが必要です。(相手が樹脂だから無理すれば削らなくてもどうにかなるけどね。約0.1ミリ削るとよい。)角も切って、センターにネジ穴を設けて左右をカーボンプレートで繋げば、強度バッチリ。ステアリング操作感もピリッとします。


 もう一つ、度重なるクラッシュで痛む部分といえば、ロアのサスアームホルダー取り付け部分です。ノーマルのサスアームホルダー自体もネジ穴にクラックが入りやすいのですが、これは社外品に取り替えてしまえばすむこと。問題はやはりギヤボックス側の取り付け部の強度不足です。どうしても、ビス穴の周囲にストレスがかかりネジ穴回りが膨らんでしまいます。常識的にはビスにワッシャーなどを噛ませて、締めつけ面積を増やせばいいのですが、裏側の形状がクセモノで素直にワッシャーを噛ませられません。フチが邪魔なのです。
 そこで、窪みを埋める分のスペーサーを作ってフチと面一にしてやります。その上で、フランジつきビスやワッシャーを使ってフチごとしっかり締めつければいいわけです。
この場合、ノーマルのデフはビス頭に干渉するので、ボールデフにする必要があります。ネットワークGP参加者の大半はTA03のギヤや、それをさらに半分にスライスして使っています。(フリクションが減る)


 セッティングを変える方法も公開しましょう。
ロール量を規制する方法。これはわりとポピュラーですね。このビスの長さを変えればアームの垂れ量が変わります
個人的にはロールを規制したら走りは悪くなりました

ノーマルのアッパーアームのまま、キャンバー角を変える方法。これも単純なことなんですが、ようは根元の長さを変えるわけです。ギヤボックスとサスアームホルダーの間にワッシャーを挟むことで(0.5ミリ単位で)変えることができます。
ボクの場合、1枚分のボジで一番グリップが高まりましたが、流れ方が悪くなり横転しました。

ナックルのタイロッド用ピロボールの根元にスペーサーやワッシャーを入れること(位置を高くする)で、ボトム時のトー角も変えることができます。
これも個人的には若干高くすると素直になります。(図1参照)

この写真では、金属パーツが多用されていますが、これはネットワークGPを1年戦って、セッティングの過程でこうなったもので、強度のために金属部品が不可欠ということではありません。あえて言えば、サスアームホルダー(ノーマルはネジ穴にクラックが入る)と、ナックル(ノーマルはキングピンがもげる)の金属化は、強度アップに貢献します。


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